栗根先生在她的部落格發表一篇文章
說之前擔心影響大家的觀劇心得,一直沒有介紹這部劇的相關典故,
在公演接近尾聲之際,介紹了紅鬼物語,內容很扎實的一篇文章:
https://note.com/macoto0807/n/n771d42e0815d?sub_rt=share_pw
以下節錄自以上連結,個人需要用翻譯網頁閱讀會比較方便。
「源頼光の酒呑童子退治」の話は有名ですね。以前に新感線で上演され、先日には歌舞伎NEXTとして上演された「朧の森に棲む鬼」(作・中島かずき)でも題材として取り扱っていたので記憶に新しい方も多いかもしれません。
源頼光(みなもとのよりみつ/らいこう)というのは平安中期に実在した人物です。摂津源氏の祖とも言われ、摂関家とも繋がる貴族でもあり、武士でもあります。
強力な武士団を形成し、なかでも渡辺綱(わたなべのつな)・坂田金時(さかたのきんとき)・碓井貞光(うすいさだみつ)・卜部季武(うらべのすえたけ)の四人は有名で、頼光四天王とも呼ばれています。
そう、もうお判りですね。今作で鈴木拡樹さんに演じて頂いている「源蒼(みなもとのあお)」のモデルは源頼光だし、川原正嗣さん演じる「渡辺縄(わたなべなわ)」、喜矢武豊さん演じる「坂上金之助(さかがみきんのすけ)」、千葉哲也さん演じる「碓井四万(うすいしま)」も四天王がモデルです。
渡辺綱については以前「狐晴明九尾狩」の時にも書いた通り、女に化けた鬼の腕を切り落とし、後に取り替えされたという伝説があります。今作でも重要なモチーフとなっていますね。まあ、腕を切ったのは金之助に変わっていますけど。
坂田金時の幼少の頃の名は金太郎。そう、あの足柄山の金太郎さんです。子供の頃から力持ちで剣技に優れ、それを認められて頼光の配下になりました。「金」の字を持つキャラクターを喜矢武豊さんが演じるのは必然かもしれません。
また、碓井貞光は群馬県の有名な温泉である四万温泉を発見したとも伝えられていますので、それが碓井四万の元かもしれません。もしくは、金太郎伝説では四万長者の屋敷で生まれたとも言われているのでそちらかもしれません。
頼光と四天王は、京都の大江山に住んでいた酒呑童子(しゅてんどうじ)という鬼の頭領を退治したと言われていて、他にも色々な鬼も退治したりしておりますので、古来より鬼退治といえば頼光と四天王が代表格なのです。
鬼退治の話といえば「桃太郎」も思い出しますね。桃から生まれた桃太郎が鬼ヶ島に行って鬼を退治する。今作に登場する、一ノ瀬颯さん演じる「桃千代(ももちよ)」の名前は桃太郎からきているのかもしれません。
そして「紅葉伝説」というのは長野県戸隠あたりに伝わる鬼女の伝説でして、いくつかのバリエーションがあります。
平安初期、都に暮らす笹丸と菊世という夫婦が子宝に恵まれなかったために、第六天魔王に祈願して子を願うと女の子が生まれました。呉葉(くれは)と名付けられた子は美しく、教養高く成長し、京に上って「紅葉(もみじ)」と名を変えて評判となりました。
やがて右大臣・平経基の奥方に認められて侍女となり、当然ながら経基にも寵愛されるようになります。しかし、経基の奥方が体調を崩し、それは紅葉の呪いのせいだという噂が立ち始め、紅葉と両親は捕らえられて信濃国へと流されてしまうのです。しかもその時、紅葉のお腹には経基の子供が宿っていました。
戸隠では都から流れてきた姫君ということで噂になり、薬を作って与えたり読み書きなどを教えたりすることで人々から歓迎されて館まで建ててもらいました。
やがて男子が生まれ、その子を経基に合わせるための資金を得るために、妖術を使って近隣の村々で盗みを働くようになり、さらに近所の盗賊たちも紅葉の妖術に驚いて配下になってしまいます。そして山中の岩穴に住み着いて益々荒らし回るようになります。
もうこうなると止まりません。戸隠の鬼女の噂は都にまで届き、退治のために平維茂(たいらのこれもち)が派遣されます。紅葉の妖術に苦しめられながらも維茂は紅葉とその息子、盗賊たちを討ち果たすのです。
これによってその村は鬼がいなくなり、「鬼無里(きなさ)」と呼ばれるようになったのだそうです。
この「源頼光伝説」と「紅葉伝説」に関しては本公演のパンフレットでも解説されておりますので、詳しく知りたい方はそちらもどうぞ。
続いては、出てくる用語のちょっとした補足をちょっとした感じでちょっとしておきましょう。知らなくても大丈夫だけど、知っているとちょっと楽しくなります。
例えば、「うんか」と「あわよとう」というのは稲を食い荒らす実在の害虫です。昔から度々大発生しては凶作を引き起こしてきました。
それから、今作に出てくる植物について。例えば「麻」。麻は縄文時代の昔から繊維の元として使われてきました。絹は高級品だったので、麻は庶民の間でよく使われていたようです。ちなみに、今回の私の衣裳も麻でできていますよ。
古来の麻はいわゆる「大麻」でして、乾燥させた大麻の葉を燻して吸うと幻覚作用があります。ですので現代の日本では栽培が禁止されており、繊維に使われるのは苧麻(ちょま)や亜麻(あま)などに限られています。
また、「アマヅラ」というのは「甘葛」とも書きまして、こちらも縄文の昔から甘味料として利用されていたツル性の植物です。ツルの樹液を採取して煮詰めれば甘い液体ができます。ツルを直接吸って甘いかどうかは判りませんけどね。
それと、死体が折り重なる戦場の谷のシーンで「タツナミソウ」も出てきますね。紫色の小さな花が風に揺れるさまを波頭に見立てて「立浪草」とも呼ばれるようです。本州・四国・九州に広く分布する多年草でして、森や林の端などでよく見られるようです。花の色が紫色ということですので、蒼と紅子の出会いの場にふさわしい花ですね。
あと、芝居冒頭の金之助に「この刀はな、刀鍛冶が八幡神に九十日祈りを捧げて打った刀よ!」というセリフがありますが、ここでは「八幡神(やはたのかみ)に九十日(ここのそじ)祈りを捧げて」と読んでいます。この戯曲では普通の刀では鬼には歯が立たず、戦の神や狐の精霊たちの霊力を込めた武器でないと太刀打ちできないという設定になっています。ですのでそういう段取りが必要なのですね。
柚香光さんに演じて頂いている「紅子(べにこ)」はやはり紅葉伝説の「紅葉」からじゃないかなあ。で、「源蒼」は「源頼光」になぞらえた上で「紅」と対比させて「蒼」なんじゃないかと。そしてその二人の子が「紅」+「蒼」で、樋口日奈さん演じる「藤(ふじ)」なんじゃないかなあ。もちろん憶測です。
ちなみに、藤という植物はとても生命力が強く、つるを伸ばして他の植物に絡みついたり地下茎で広がったりと繁殖力も強いそうです。家庭などで迂闊に植えると広範囲に広がる可能性があるので注意が必要らしいですよ。いや、今作とは直接関係ないけどさ。
そして、紅子の両親である、礒野慎吾くんの「竹丸(たけまる)」と村木よし子さんの「菊(きく)」は、上記の通り「笹丸」と「菊世」でしょうね、多分。
源蒼の手下たちも先ほども書いたとおりでして、あとは村木仁さんの「阿部辺丁迷(あべべていめい)」は当然「安倍晴明」のモジリでしょう。頼光と同時代人だし。
気になるのが鬼の三人組です。どうも私が調べた限りでは、ちょっと面白い結果が出ました。
例えば武田浩二さん演じる「柊(ひいらぎ)」。皆さんも聞いたことがあると思いますが、鬼よけとして家の入口にヒイラギの葉とイワシの頭を飾ると良いという風習があります。ヒイラギの葉のトゲトゲを鬼が嫌がるからだというのですが、鬼なのに柊という名なのは面白いですね。
同様に、平安から鎌倉の頃に、朝廷や幕府で行われた「七瀬の祓え(ななせのはらえ)」という儀式があり、七ヶ所の川原で祓えを行ったのだそうです。ひょっとしたらこの七瀬の祓えが、吉田メタルくん演じる「七瀬(ななせ)」の元ネタかもしれませんし違うかもしれません。もし元ネタならば、こちらも祓われるはずの鬼の名になっているというコトになります。
ただ、早乙女友貴さん演じる「栃ノ木(とちのき)」の由来がよく判りません。強いて言えば栃木県には有名な鬼退治の話である「百目鬼(どうめき)退治」の話がありますけどねえ。どうも違うような気がします。まあいいや、判んないなら判んないで。
他の村人たちとかもよく判んない。まあね、ヒントが少なすぎるからそりゃあ判らんよ。インディ高橋くん演じる「山彦(やまひこ)」からは「海彦山彦」の話を思い出しますが、あの話には鬼は出てこないんだよなあ。もしくは「ヤッホー」でお馴染みの木霊としての「やまびこ」ならば木の精霊だとか妖怪の仕業ともいわれているから、そっちかもしれない。
右近健一さんの「毛の男(けのおとこ)」も判んない。まあ、なんかそういう昔話もありそうだけど。もしくは江戸川乱歩の著作とかにね。ひょっとしたら「毛の男(けのお)」と読んで「獣(けもの)」と掛けているのかもしれない。いや、多分違うと思うけど。
最後は私が演じた「八十八(やそはち)」について。まあ多分ね、米を隠し持っているから「米」という字をを分解して「八十八」なのだろうと思います。しかも私の名前の「粟」という漢字の中にも「米」が入ってますしね。
ついでに八十八についての裏話を。ヘアメイクの宮内さんから聞いた話です。八十八は垂れ眉(付け眉)に垂れ髭(自分の髭)という風貌ですが、どちらも「八」を現しているんですって。眉と髭で「八八」です。もしも鼻の頭に「十」と書いたら、それこそ「顔面八十八」ですよ。書かないけど。
The End